お葬式の打ち合わせや
事前相談の時に話が出る
「お香典」の扱い方
今日はお香典のおはなしです♪
お香典の意義は
仏様へのお供物と
遺族への支援。
昔は食料
お米や野菜
お団子やお餅などを
供えていたけど
時代の変化に合わせて
お金で包むようになったのが
お香典
もう一つの説が
昔は参列者が持参していたお香を
葬家(喪主)が用意するようになり
(今の形ですね♪)
お香のお代として包むようになったのが
お香典。
(その他諸説あり)
表書きの書き方も
色々あって
一般的な表書きは
「御香典」
時々見かける
「御香奠」
「奠」の意味は
神様や仏様へのお供え物。
昔は「御香奠」が主流だったけど
今はほとんど使われてません。
もう一つ見かけるのは
「御霊前」
御霊前は
浄土真宗では不適切だったり
宗派によって使い分けが必要なので
使わない方がいいでしょう。
他にも
「御香料」もありますが
ここまでは仏式の包み方。
神式の時は
「御霊前」や「玉串料」
「御榊料」と書く事もある。
なぜか玉串料だけ
「御」を付けない場合が多い。
キリスト教の場合は
「お花料」「御花料」が
一般的な包み方です。
あと
関東など一部の地域では
銀の水引を見かけますが
全国的には少数派、
関東ローカルの風習なので
敢えて使わなくても良いでしょう。
さてさて
ここからが本題の
お香典の扱い方のお話です。
平成になった頃から
急激に増え出した
「お香典辞退」のお葬式
その理由は
「お返しが大変だから」
一部マスコミでは
「無縁社会」
などという言葉が
使われているけど
その一端でしょうか
その理由にある
「お返し」には
二つの意味があります。
一般的には「満中陰志(香典返し)」を
指しているけど
もう一つのお返し
相手様のお葬儀の時に
お香典を包んで「返す」
意味もあるのです。
殆どの方が認知してませんが
どちらかというと
この後者のお返しが
重要なのです。
その意味を踏まえた上で
「お香典辞退」について
考えてみます。
まず一つ目の
満中陰志が面倒臭いという理由は
今世間で行われているお葬式が
ほぼ家族葬だと言うことを考えると
断る理由になりませんよね♪
一昔前のように
会社関係だったり
交友関係だったり
大勢の会葬者が来る葬儀の場合は
お香典を辞退する理由も
分からなくもない。
例えば亡くなるのが
会社勤めだった夫の場合
喪主を勤める奥様は
旦那様の直接の上司や
同僚なら知っているでしょうが
それ以外会社の人は
知らい事が多いし
取引先や関連会社となれば
更に知らない人ばかりになります。
しかも
預かるお香典の数が100や200
あるいはそれ以上の数になると
奥様の負担も大変だし
後々お付き合いする事も少ないので
「お香典を辞退する」
と言う発想も生まれるのでしょうか
しかし
社交的な面を排除した
家族葬においては
知らない人は来ないし
知ってる人の中でも
本当に懇意にしている人しか来ないし
その人数も少数です。
そうなると
お香典返しが大変だから…
という言い訳は
成立しなくなりますよね?
そして参列される人達は
殆どお香典を包んで来ます。
懇意にしている人が
わざわざ持って来てくれたお香典を
突き返すのって如何でしょう。。。
お香典返しにしても
ほんの数件しかないでしょうし
お香典返しが手間や大変で….
と言う話でもないのに。。。
です。
これがお香典返しが大変だから
と言う理由もなく
「お香典を辞退する」
と言う選択を
お勧め致しない理由です♪
更に重要なのが
もう一つの理由
「先々相手方でお葬式が発生した
時に包んで返す」
と言うお返しの意味。
遡って考えてみましょう。
例えばお父様が他界した場合
親戚さんはお香典を包んで
持って来ます。
それには
以前にお父様が
親戚の葬儀の時に
お香典を包んでおられたから
そのお返しに、と言う理由も
少なからず含まれます
相手からすれば
「以前祖父の時に包んでもらったから
今度はちゃんとお返しを…」
と言う思いですね♪
お香典を辞退すると言うことは
その相手の気持ちを断る事なのです。
断られる親戚さんの
気持ちは如何なものでしょう…
実際にお通夜の場で
「うちは受け取ったのに
なぜ断るのか?」と
揉める事も少なくありません。
揉めるまで行かなくても
「うちは受け取ったのに
あの人は受け取ってくれなかった」
と言う声もまあまあよく聞きます
極端な場合
「以降、親戚付き合いをしません」
と言う宣言にも捉えられかねない。
実際
届いた訃報に添えられた
香典辞退の案内に
「お香典を受け取らないのなら行かんとこ」
と言う声も聞いた事がある。
あるいは
お香典のお預かりのはなし
お参りに来られる人が
自分自身のお香典とは別に
人様のお香典を預かって来た場合
お香典を辞退されると
預かって来た人は
預けた相手に「断られました」と
お香典を返さないといけなくなる
これもどうかと思いますが
皆さんは如何でしょうか。
この
「以前に包んでもらったから」
と言うお返しの理由は
実は凄く強くて
葬儀の場でお香典を断られたら
初七日法要や満中陰法要へのお供えなど
後日ご仏前(霊前)へのお供えとして
包もうとされる方も居られます。
あるいは現金書留で届いたり。。。
実際に
葬儀の時にお香典で預かっておけば
ちゃんとまとめてお返しできたのに
お香典をお断りしたばかりに
バラバラに持って来られて
逆にお返しが凄く大変だった…
そんな声も少なくありません。
ここで
更にもう一つの理由のお話をします
上では話しませんでしたが
お香典を辞退する理由で
一番多いかもしれない
「故人の遺志」です。
生前に
「お香典は受け取らなくて良い」
と言い残して他界されるケースです。
団塊の世代より上の
男性に多い傾向にある
「自分のお葬式不要論」
もし私が死んでも
お葬式はしなくて良いし
お坊さんも呼ばなくて良いし
お経も要らないし
戒名も要らないし
誰も呼ばなくて良いし
お香典も取らなくて良いし
お墓も要らないから
火葬したら骨はどっかその辺に
撒いといてくれれば良い。
そんな言葉を
お聞きしたことはありませんか?
これ
お葬式の打ち合わせや
事前相談、
あるいは終活セミナーで
講師を勤めた時
意外な程多くの方が
頷かれる。
団塊の世代といえば
高度経済成長期から
バブル景気をリアルタイムで生き
凄く派手になったお葬式を
経験している世代だ。
お葬式で大変な思いをされた方も
居るでしょう
旅立たれる方の思いは
ただ一つひとつ
残す家族の負担を
少しでも減らしたい。
家族の負担を減らしたい思いで
上に書いた葬儀不要論に
至るのは凄くわかります。
が
現実はどうでしょう。。。
お父さんが経験されたような
派手なお葬式をされますか?
昔のような大きなお葬式をするなら
お父さんの気持ちを汲んで
お香典を辞退するのも有りでしょうが
家族葬では
お父さんの遺志を尊重して
お香典を辞退したがばかりに
余分な負担が増えるのです。
お父さんは家族に負担を
かけたくなかったはずなのに…
そうなると
本末転倒だと思いませんか?
「誰も呼ばなくていい」
「お香典は辞退しろ」
そう言ったお父さん
そのお父さんのお葬式に
本人はもう居ない
お父さんの遺言を守り
本当に親戚を呼ばなかったら
非難されるのは残された家族
後々の親戚付き合いにも
何かしら影響を残す事も
あるでしょう
ここまでお聞き頂いて如何でしょう
「今までの親戚付き合いが煩わしい」
「親戚付き合いをしたく無い」
と言うお気持ちは尊重しますが
僕はお勧めしかねます。
この先
あなた自身が亡くなる時
誰にも世話にならずに
旅立つ事はできない
私たちは
自分の棺桶の蓋を
自分で閉めることさえ
出来ませんしね♪
子供の負担にならない
子供の世話にならない
より
負担をかけた分
世話になった分
しっかり感謝して生きたいと思います♪
今もほら
見えないところでも
沢山の人のお世話になってますしね♪
あと少しだけ続けます
皆さんの経験として
会葬者を招いて行う
一般葬に参列した時に
(一般葬と言う言葉は嫌いです)
お香典を断られる事もある思いますが
そのようなお葬式でも
親戚同士はお香典のやり取りをされてるお葬式もあります。
これは上で話したように
会社関係とか
知らない人のお香典は断れても
親戚のお香典は断らない方が良い
と言う判断でしょうか。
以上、
長々とお話をしましたが
お香典を断っても良い場合と
断らない方が良い場合のお話でした。
今回はお話ししませんでしたが
お香典を包む風習が全く無い地域も
あると言うことを添えておきます♪
長くなりましたが
最後までお付き合いくださり
ありがとうございました♪