伊丹のおくりびとブログ

「ハーレーで出棺」

 

 

あの人の夢

 

あの人には若い頃から

4つの夢があったんです。

 

 

その4つの夢の中で

唯一叶えられていないのが

「ハーレーダビッドソンに乗る」

という夢なんです。

 

あとの3つは叶えられたんですが

 

ただひとつ

ハーレーに乗る夢だけは

未だ叶えられずに。。。

 

父の仕事を手伝うようになった頃から

時々母が聞かせてくれた

「父の夢」

 

そう

父の若い頃からの夢

 

あとの3つは達成できた夢

その3つはどんな内容だったか

今となっては思い出せませんが

(笑)

 

唯一

達成できていない夢

「ハーレーダビッドソン」

 

そして迎えた父の急逝

 

ちょうど今から20年前の夏

 

父の葬儀の準備をしていた時

 

長く体調を崩していた

喪主(兄)の代理として

 

夫の急逝に打ちひしがれながらも

気丈に振る舞う母を支えながら

親族を取り仕切りつつ

 

お葬式屋さんとして

お葬式の準備をしていました。

 

その時に閃いたこと

 

母に聞かされていた

父の夢

 

叶えられなかった一つの夢

 

最後に叶えてあげたい。

 

「ハーレーで送ってあげたい」

 

って。

 

 

でも、どうやって?

 

バイクに棺は積めないし

バイクで棺を引き摺るわけにも…

トレーラーに棺を積んで…

と言うわけにも行かないか。。。

 

むむむむむ。。。

 

で、閃いたのが

 

ハーレーによる葬列(車列)の先導。

 

式場から火葬場までの道のりを

ハーレーに先導してもらう。

 

うん、

これがいい。

 

父が若い頃よくビデオで見ていた

CAROL(キャロル)の解散ライブ。

CAROLのメンバーを乗せて

国会議事堂の前を走る

キャデラックのオープンカーの

その前後にCOOLSのメンバーが

何台ものバイクを走らせてた

 

 

あの感じ。

 

を、上品にした感じ

(笑)

 

 

幸い、知人に古いハーレー乗りが居た

しかも彼は業界の人で

すごく大切な業務に携わっていた。

 

彼なら快く引き受けてくれるはず。。。

 

もちろん即答の快諾だった
(ちゃんと会社には伺いを立てたみたいでした)

 

そして実現した父の葬儀の

ハーレーダビッドソン出棺。

 

葬儀を終え

大勢の会葬者が見守る中

お寺の境内に爆音轟く

あの古いハーレー独特の

野太いエキゾーストノート

 

だだだん!
どっどっどっど…

 

どっどっどっど..

 

そして火葬場までの先導

 

(写真はハーレーダビッドソンジャパンから拝借)

 

確か友人のハーレーはオレンジ系の

カラーだったかな?

 

 

先頭を行くハーレーに跨る友人には

「30km/hくらいで

ゆっくり走ってほしい」

と、事前に頼んでおいた

 

 

先頭にハーレー

次に霊柩車

そしてハイヤーと

親族を乗せた2台のマイクロバス

 

長い車列が

ハーレーを先頭に

ゆっくりと伊丹のまちを走る

 

どっどっどっど..

 

ハーレーの真後ろには

父が載った霊柩車

 

ハーレーのエキゾーストノートを

聴きながら火葬場までの道のり

 

ハーレーを用意したこと、

確か誰にも言ってなかったかな?

 

母もバイク好きの兄も驚いてたし

凄く喜んでくれた。

 

もちろん父も

喜んでくれた

 

と思う。

 

 

父の叶えられなかった

最後の夢

 

 

のお話でした。

ちなみに僕の葬儀の時はどうだろう…

 

 

先導車両を用意するなら

やっぱりFIAT500かな?

 

 

トコトコトコ〜♪って

 

FIAT500の先導もいいけど

 

皆んなに遊んでもらった

伊丹のまちを

ぐるっと回ってもらうのも

いいかな♪

 

うん、

そっちがいいな♪

 

あなたなら

どんな風にしてみたいですか?

 

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