ここまで
家族葬のお話を
3つ続けて来ました
ここで少し
近代におけるお葬式の変遷について
まとめてみます。
年表的に表記すると
大正初頭に葬列が消え
大正中期に霊柩車が現れ
昭和30年頃に全国的に祭壇飾りが普及し
昭和40年頃に各地で大型式場が建設されました。
ざっくり言うとこんな感じ。
史実を踏まえて近年の庶民文化的に辿ると
全国的に新生活運動が流行し
冠婚葬祭の虚礼廃止ブームが起こったのが
終戦を迎えた昭和20〜30年頃
今でも
お香典が1000円一律と決められてる沖縄や
お香典返しを千円程度の当日返しで済ます
北海道の一部の地域に
その名残を見ることができます。
その後、1980年代に高度経済成長期を迎え
お葬式が徐々に派手になっていきます。
お葬式バブル時代の到来です。
いわゆる「派手葬(はで葬)」と言われる
賑やかで豪勢なお葬式が増えたのです。
町なかでは参列者によるお交通渋滞が発生し
大型式場では開式前にスモークが焚かれ
レーザー光線が舞う中
導師が自動カートに乗って登場する。。。
なんて
今の世では考えられない現象が起きました。
興味深い数値に
お葬式の平均参列者数の変移データがあり
神奈川県下のとある生協の
葬儀事業部(ゆきげさん)の記録によると
1996年には平均で180人だった参列者が
2005年には100人を下回り
2013年には46人にまで減った
というデータがあります。
コロナ禍を経た今では
さらに少なくなっているでしょう。
この「お葬式の規模の変化」を見てみると
昔々、
人々が地縁で暮らしていた頃のお葬式は
ご縁のあるご近所さんと親族で
行われていました。
ご近所さんにとっては
一つの社交の場でもありました。
それが
サラリーマン文化が隆盛を迎えた昭和後半
お葬式が持つ一面、
社交の場としての価値が
肥大化していきました。
亡くなった本人の関係だけじゃなく
喪主を始めとする息子や娘の関係先、
勤め先からの参列も
同僚や上司だけじゃなく
部や課が皆んな挙ってご参列。
更にそれは勤務先だけに留まらず
取引先や関連会社も挙ってご参列。
高齢の親御さんを送る喪主さんの年齢的に
組織で管理職などの立場を持つ事も多く
社会的な挨拶の場として
葬儀が機能してしまう
これは、
実際に僕も葬儀社として経験しましたが
会社役員をしている男性が亡くなると
弔電が増え
会社役員をしている男性の妻や親が亡くなると
会葬者が増える
という現象にも現れているでしょうか
事の良し悪しは置いておきます。
さて、ここまでの話を聞いて
何か感じましたでしょうか。
元々、親族縁者をはじめ、ご近所さんなど
普段お付き合いのある人たちだけで
行っていたお葬式が
直接的なご縁だけじゃなく
間接的にお世話になっている人々まで
広い範囲から集まるようになりました。
これは
義理堅く勤勉な日本人の国民性も
関与しているかもしれないですね♪
簡単にいうと
昔は近親者だけで行っていたお葬式が
バブル経済で派手になり
長期間の不景気を背景に
昔の形に戻った。
といったところでしょうか
んで、ふと足元を見てみると
令和の時代になった今
ご近所付き合いが希薄になっていた。
バブル期に派手になり過ぎた
社交的な部分を排除して
本当に故人や家族と
直接ご縁のある人だけで行う送り方
そんなニーズに生まれたのが
今の「家族葬ブーム」ではないでしょうか
お葬式の世界って
「当たり前」だと言われていることも
「昔からそうしてる」と言われていることも
「皆んなそうしてる」と言われていることも
ちゃんと調べると
つい最近できた風習でした……
なんて事も色々あるんですね♪
これから先
お葬式の形はもっと変わっていくと思います
ただ変わらないのは
変わってほしくないのは
「恩」を大切にする心
「縁」を大切にする心
様々な「おかげさま」への感謝
人が人を思い遣る気持ち
ですね♪
ここまでは「過去」
お葬式の経緯についてお話ししてきましたが
次は「未来」
これからのお葬式についてお話ししますね♪
最後までお付き合いくださり
ありがとうございました♪
次の記事「家族葬と一般葬の違い」へ
参考サイト: